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絵画教室で漫画やアニメのキャラクターが嫌われる理由

先日、体験レッスンを受けに来てくれたかわいい小学生のお子さんが、バッグにアニメのキャラクター(原作漫画もあるそう)を描いていってくれました。何も見ずに、すらすらと細かいところまで上手に描いている様子から、どれだけ好きかということが伝わってきました。瞳の中に大きな星がきらめいていたので「星の子」と聞き違えたのですが、後で調べたら「推しの子」だったんですね。今時のネーミングに納得でした。

親子で参加できるアートクラスでは、当たり前かもしれませんが、親御さん自身もアートに興味と理解があるので、絵がうまかったり、センスが良かったりします。子供の好きを伸ばすには、それを理解して、応援してくれる周りの人や環境は大事だなあと思います。子どもがどんなに好きでも、親の理解がなければ、始められませんからね。

その女の子はあまりにも下書きに夢中になってしまって、肝心のバッグの絵を終わらせることが出来なかったのですが、この時の彼女は「下書きをしたい!」だったので、こういう時はこれで良しとしています。バッグを作りに来たので、終わらせられなかったのは残念でしたが、一本一本の線に拘りがある様子だったので、そこに集中できたのはいいことで、何事も経験です。

アニメのキャラクターを描く姿を見ていて、ふと思い出したのが、絵画教室のサイトに時々書いてある注意書きでした。「当教室では漫画やアニメのキャラクターを描くことを禁止しています」と書いている教室を時々見掛けますが、そういうところはお受験を目的にしている絵画教室のようです。

因みに、ずっとあーとスタジオでは、お受験の対応はしていないので、キャラクターを描くことを禁止したりはしておりません。本人が描きたい場合、存分に描いていただいて結構です。何がどんなふうに功を奏するかは、誰にも分かりませんから。

アートは自己表現なので、好きなものを描きたい気持ちは大事と尊重しつつ、オリジナルなものを表現できるようにすることを目指したいと思っています。なので、今はキャラクターにハマっていて、そればかり描いているでもオーケーだと思います。

目次

絵画教室が漫画やアニメのキャラクターを禁止する理由

恐らく日本の絵画教室は、崇高で伝統的な古典アートを教えるところという概念が、いまだに強過ぎるのではないかと思います。アートは特別なもので、関われるのは特別な人、という具合に敷居を高くしているように思います。

そうなってしまう原因としては、芸大入試に向けた熾烈な入試制度、つまり競争にあるのだと思います。某有名大学に入るのに何年も浪人するのは当たり前だと聞きますから、なるほど確かに特別な人でないと入れないのかもしれません。

どこの国の教育がいいとは言えませんが、私はどちらかというと、やりたい人、意欲のある人にオープンな大学の方が良いように思います。アメリカや日本で、有名アーティストという人にたくさんお会いしたことがありますが、凄い人ほど学歴など気にしない、気さくで柔軟な考えを持っていらっしゃる方が多かったように思います。

こうじゃないといけないという固定観念に縛られるより、柔軟な考えを持つことの方が、ユニークな発想に繋がります。特に今は、漫画やアニメもれっきとしたアートですから、垣根を超えた自由な発想が必要なのだと思います。

勿論、それとは別の理由もあるとは思います。著作権の問題から既存の漫画やアニメ、ゲームなどのキャラクターを勝手に描いて使うことは許されません。営利目的でなければオーケーとされていますが、自分の作品のように描き続けることにあまりメリットはなく、逆にトラブルの元になるので気をつけなければいけないでしょう。

勿論、子供が好きで描く絵は別なので、絵画教室で禁止するのは、何だか不自由に思えてしまいます。まあ、私の個人的な考えですが、皆さんは、どう思われますか。

絵を描くのが好きな子供が描くものは

じゃあ、絵を描くのが好きな子供たちは、一体何を描いているかというと、彼らは、好きなものの絵を喜んで描いています。そして、好きなものというのは、大体漫画やアニメ、最近はゲームのキャラクターです。

小学校の休み時間にもなると、絵を描くのが好きな子供たちの多くが、そういうキャラクターものを描いています。ゴッホやピカソ、北斎や若冲など古典的な絵を描く子供なんて一人もいません。

日本は、そもそも漫画やアニメが盛んな国なので、子供達に及ぼす影響も諸外国より大きい気がします。海外にいると、日本人というだけで、こちらが好きかどうかは関係なく、ドラえもんや宮崎駿の作品の凄さを熱弁されたりします。そんな国の国民でありながら、そういうキャラクターを描くなという方が無理があると私は思ってしまいます。

絵の仕事をする私が子供の頃描いていたものは

そんな私の子供の頃は何を描いていたかというと、私も小学生の頃は、漫画が大好きで、好きな漫画のキャラクターばかり描いていました。

一番ハマっていたのは「なかよし」という少女漫画雑誌で、毎月お小遣いを手に発売日に本屋さんに買いに行ってました。ということで、キラッキラのでかい瞳のキャラクターをワクワクしながら描いていました。今思うと笑ってしまいますが、当時の習い事と言ったら、習字かそろばんの二択が主流の時代です。しかも田舎でしたから、絵を習うなんて、頭にも浮かびませんでした。

当時描いていた絵は、恐らくほとんど残っていませんが、唯一、小学5、6年生の時の夏休みの課題に作った絵本だけは残っていて、その形跡がちょっと見れます。5年生の時に作った方は、漫画の影響を色濃く受けた漫画ちっくな大きな瞳の女の子を描いていて、6年生になると、漫画の目ではなくなり、手法も布のパッチワークだったりするのでした。当時、絵本に合った主人公をどういうふうに描くかを必死で考え、漫画チックな画風から抜け出そうと試行錯誤して作ったのを思い出しました。

いつの間にか漫画の絵は描かなくなっていきました。本当に好きで書き続ける人は、もしかしたら漫画家などの道を目指したりするのかもしれませんが、私の場合、いつの間にか漫画の絵を描かなくなっていくうち、残念ながら絵を描くことからも離れていってしまいました。そういう環境ではなかったし、その頃の私は人の目ばかり気にしていましたから。それでも、今こうして絵を描く仕事をし、人に教えたりしている訳ですから、何がいいかなんて何年もしないと、誰にも分からないものなのです。

実は昔、私の絵本のレヴューで、漫画っぽいと書かれたことがあったのですが、もしかしたら子供の頃、漫画漬けだったのが出てしまっているんじゃないかしらと、思ったりしました。

まとめ

確かに基礎は大事です。けれど、どんなに基礎や古典的技術を学んだところで、好きなことに人一倍こだわり抜いている人には敵いません。それはもう、この目でそういう事例、そういう人たちをたくさん見てきましたから本当です。表現者は、大体自分の好きなことに固執しています。草間彌生さんの水玉模様なんて、まさにそれですよね。

プロになると、仕事なので、好きなことばかり言ってられないのも事実ですが、好きで描く絵はとことん自分が好きなものを追求するのがいいのだと思います。好きなものが、すぐに見つからない人も諦めず探していけば、必ず見つかるはずです。自分を表現するには、まず自分が何者かを知る必要がありますが、自分のことって自分では分からなかったりしますから、そんな自分探しのお手伝いに、我が絵画教室が役立てばと思っています。

漫画やアニメやゲームのキャラクターが大好きで、そればかり描いたっていいんです。
物事は、好きなことから始まるのですから。

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